ワットプラケオ壁画鑑賞
エメラルド寺詣り ラマキエン
次ページにすすむ トップページに戻るその1(1面から20面)発端 から ラーマがアヨタヤから追われる まで
1.
−ラーバナて誰でんねん
ランカを治めてる偉い悪魔ちゅう話や。タイのほうではラーバナとはあんまり言わんと普通「10の首」とゆう意味でダサカンと呼ばれてんのや
−けども、その娘のシーダーゆうのんがこのはなしの主役でんねやろ
そうや。シーダーが生まれたときに、こいつはランカの町を壊すもとになると言われてなあ、どんぶりばちの中にいれられて、海に流されてしもたちゅうこっちゃ。
−ほれが誰ぞに助けられましたんか
ミチラーの町のチャナカ王ちゅうお方が隠居してはって、森の中で隠者ちゅうもんに、なってはったんやな。ほでそのお方がシーダーを見つけはったんやけども、隠者ちゅうのんはおなごの面倒を見るちゅうわけにはいかへんのでな
−へえ、そうでっか
そんで、そのお方は彼女を地面に埋めて、ええひとが彼女を見つけてくれるように神さんに頼みはったんやな
−ほなこの絵はなんでっか
この絵の中にはチャナカ王が隠者の生活をやめて、ミチラーに戻ってく様子が描かれてるんや
−ほんなら、結局自分で育てることにしはったんでっか
そうらしいなあ。なんせシーダーちゅうのんは絶世のべっぴんやったゆう話やさかい
−このへんはなんでっか
チャナカ王が地べたを掘り返してシーダーを見つけだしたとこやなあ、それからみんなで町へ戻って行きはるとこや
2.
チャナカ王はシーダーにええお婿さんを見つけたげることにしやはったんや
3.
−このへんはなんでっか
ミチラーの町の賑わいのようやな。けど、ちょっとその前にゆうとくと、チャナカ王は「ミチラーに来とおくなはれ、ほんでシバちゅうヒンズーのえらい神さんの重たい弓を持っちゃげたらシーダーを嫁さんにあげるさかい」というお使いを、ぎょうさんの王子はんや王さんに送らはったんや。なんせ絶世の美女ちゅう噂がたってるもんやさかい、王さんらは、お婿さんにしてもらいたいんでな、一生懸命持ち上げようとしはったんやけどな、誰あれもシーダーを嫁はんにすることはでけへんかったんやと
4.
絵の左のまんなかへんを見てみ、シーダーと、このはなしの もお一人の主役のラーマは、たまたまお互いに目えと目えを合わしてしもてるやろ。ラーマも別嬪さんという噂を確かめたれとゆう口やったんかも知らんけど弓を持ち上げにきて、まだ王さんのとこへ行く前に会うてしまいはったんや
5.
−ほんで、どうなりましたんや
左上を見てみ、ラーマはやっぱり主役やなあ、きっちりと弓を持ち上げはったんやな。しやからチャナカ王はラーマの町アヨタヤに、「ラーマを婿にするさかいよろしゅう」というお使いをおくりはったんや
6.
そらそうとな、ラーマにはバーラタとサツルガナちゅう二人の弟がおって、二人のお母はんの、お父はんのカイヤケット王とこに行ってたんやけどな、この話をきいてすぐに「さいなら」とゆうて、アヨタヤの町に帰ろと思いはったんや
7.
ほんでバーラタとサツルガナは「ミチラーの町でのラーマの結婚式に行ってええやろ」と、お父はんとお母はんに頼みはったんや
8.
これは、ラーマとシーダーのミチラの町での結婚式やなあ、なかなかええもんやな。けどあんまり華やかでもないみたいやな。昔のこっちゃさかい、ちょっと地味なんかもしれへんなあ
9.
−こっからはなんでっか
結婚式も済んだんで、みんなでアヨタヤに帰りはる途中でな、雷の神のラマスラちゅうのんが、ラーマにいいがかりをつけに来よったときのこっちゃ。ラーマは勝ちはんねけどな、ほのときラマスラはラーマがビシュヌちゅうヒンズーのえらい神様の生まれ変わりやと気がついて、自分の弓をあげんねやな。そんでラーマは雨の神のワルナに「この弓を持っといてえな」と頼みはったんや
10.
牛のダラビが生まれたんやなあ
−なんでんねん、それは
まあ、黙って聞きなはれ。それは神様が生ましはったんや。そんで 最後には自分のお父はんの白い牛ダラパを殺してしまいよるんやな。その白い牛のダラパはもともと、シバ神のうちの門番の悪魔やってんけどな、シヴァ神の侍女にちょっかいを出そうとしよったんで、そいでシバ神に罰を当てられよってな、ほんで白い牛にされて、自分の息子に殺されるとゆう運命になってしもたんや
−どうでもええけど、えろう、厳しおまんなあ
その運命の話をきいてたよって、ダラパは自分の息子をみんな殺してしもたんやけどな、め牛の一頭が逃げ出して洞窟の中でこどもを生んでしもたんや。ほんで「神様に子供を宜しゅう」と頼みよったんや。それからなあ、この黒い水牛の息子ダラピは父親(てておや)と同んなじように強うなっていくんや。ほんで、大きゅうなって、自分の父親ダラパに喧嘩をしかけよって運命通りに親殺しになってしもたんや
11.
ほんで、すっごうええ気になったダラピはシバ神に喧嘩を売りよったんや。けど、シバ神は自分では喧嘩せんとキシュキンヤーの町の猿の王さんのバーリンに「喧嘩をうけたり」と言いはったんや
12.
ダラピはキシュキンヤーまで行ってバーリンに喧嘩をふっかけよったんや
13.
バ−リンはダラピを洞窟の中へおびきよせて喧嘩を始めよったん。喧嘩に行く前にな、バーリンは弟のスグリワに「もしもやで、流れてきた血いが薄かったら、それはわしのんやから、洞窟の口を閉じてしもてや、けど、もし濃おかったら、それはダラピのんやから何もせんでええで」と言うときやったんや。7日間も、どつき合いをして、バ−リンはようやっと、ダラピをやっつけよったんや。けど、拍子の悪い、前の晩えらい雨が降ってたんで流れてきた血いは、えろう薄なってしもてたんで、スグリワは手下の猿らに洞窟の口を閉めるようにゆうたんや。バーリンは怒ってしもて、弟のスグリワが「自分が王さんになりたいよって、そんなことをしてんやろ」と決めつけて、スグリワをキシュキンヤーの町から追放してまいよったんや
14.
−こっから、また話が変わるみたいでんなあ
そやな。アヨタヤの町では、ラーマの「まま母の一人」の女王カイケイーに仕えてよった 背虫の侍女が、昔ラーマがまだこどもやった頃に、粘土の板を彼女の背虫の背中でこねよっていけずされたちゅうて恨んでて、ラーマを王さんにしとなかったんで、「あんたの子どもを王さんにしなあきまへんよ」とたきつけてたんや
15.
ラーマの父ちゃんのダサラータは、ラーマを王さんにする儀式の用意をしてはったんやけど、カイケイー女王は「ラーマを14年間森に追放する」ように王さんに頼んだんや。王さんは「なんでもカイケイーの言うことを聞いたる」と約束してはったんで、すなおに聞いたるしかしょうなかったんや
−そんなにカイケイーがべっぴんやったんでっか
いや、昔、なんかの時に助けてもろたんで命の恩人やゆうことやってんな
16.
そんで、ラーマは隠者になる用意をしてはんのや。弟の一人のラクシマナも「一緒に行く」と言いはったんや。ダサラータ王はラーマを追放するゆうてしもたんで嘆きたおして死んでしまいはるんのや。バーラタは自分のお母んのカイケイーがいらんことを言うたと分かって母親を殺してまお としはってんけどな、ま、殺してはしまえへんかったみたいやな
17.
これはダサラータ王の火葬の絵やな。カイケイー女王とバーラタは「儀式に出たらあかん」といわれて、葬式には よせてもらえへんかってんな。絵の右側の上の隅っこを見てみなはれ、ここがラーマとシーダーとラクシマナは森へ入って行きはるとこや
18.
バーラタとサツルガナとカイケイー女王とダサラータ王のあとふたりのお后はんが、ラーマとシーダーとラクシマナの3人を町へ呼び戻そうと追いかけていきはる絵も書いたあるで
19.
みんなは「もどっとくなはれ」と言いはったんや、けど「戻るのはいやじゃ」とラーマは言いはったんや。なんでやというとな、死んだお父はんとの約束を守るのやと決めてはったからやな。そんで、3人は隠者サラハンガを捜して旅を続けていきはったんや
20.
ラーマとシーダーとラクシマナは悪魔ビラーダの森で道に迷てしもてな、ラーマはそこで悪魔を殺すねんな