エメラルド寺詣り ラマキエン
前のページに戻る 次ページにすすむ トップページに戻るその2(21面から38面)シータがさらわれて から ハヌマーンがランカに渡る まで
21.
さてと、ちょっとだけ話をかえよか。これは、悪魔の親玉・ランカーのラーバナ親分が狩に行ってはるところや。義理の弟のジューハに「町を守っといてや」と頼んでから出て行ったんやな。けどジューハは自分の舌で町を隠して寝てまいよんねな
−えらいタンでんな
たんない、たんない。ラーバナは戻ってきたとき、町が隠されて見えへんかったんで怒って円盤を投げてジューハを殺してまいよんねな
22.
ラーバナの妹スルパナカーはご亭主のジューハが兄貴に殺されたんで寂しゅう思とってんやろな。スルパナカーは森へ行って、ラーマとラクシマナを見て、「かっこええやん」とゆうてラーバナに言い寄りよってんな
−はあ、これで話が元に戻ったんでおますか
けど、「いやじゃ」と言われて、えろう怒りよってな。「シーダーがおるさかいあかんのかな」ちゅうわけでシーダーをどつこうとしよったんや。それをラクシマナに見つけられて、なんちゅうことすんねんとゆうわけで、鼻と耳をちょん切られてしもたんや
−そら、なんちゅことされてまんねん。かわいそうでんがな
スルパナカーはラーマをやっつけに来てたカラ兄ちゃんにぶうたれよんねな。カラは「妹のゆうことを聞いたろ」としたんやけど逆にラーマにやられてしまいよるね
23.
それから、スルパナカーのほかの兄弟あともうふたりもラーマと喧嘩させられたんや。けど、みいんなラーマにやられてしまうんや
24.
スルパナカーは、そこでいっちゃん上の兄貴のラーバナに「シーダーて、えらいきれいやねんで」と言いよったんやな。ラーバナはマリチャに「シーダーをおびきだすために金色の鹿に化けてえや」と頼みよってんな。ラーマとラクシュナーは鹿を追っかけて行きはったんや
−3人とも金に目エがくらんだんでおますか
いや、そういうわけやないねけど、シーダーが「ペットにしたいわ」とでも言いはったんやろ。そんでラーバナは隠者に化けてシーダーを誘拐しよんねな。ラーバナはごまかすために鹿のマリチャを殺しよるね
−ようわかりまへんな
わしもそうやねん
25.
−ラーマらはびっくりしましたやろ
そらそうやな。ラーマとラクシマナはシーダーの後を追かけようとしはったんやけど、どっちゃへ行ったらええもんか?
−困りましたなあ
まあ、捨てる神ありゃ拾う神で、鳥のチャタユがラーバナにシーダーがさらわれたことを教えてくれたんや。それから追っかけていく道道、彼らは 罰でじべたに埋められているカバンタに会いはってな。ラーマは罰から助けてやるために殺してやらはって、「天国に戻りや」と言うて自由にしたりはるんやな
−へえ、殺したら天国に戻れるんでっか
まあこの話全体が、神さんが悪魔を懲らしめる話で、その悪魔も元々は天国で生活しとったんやからなあ
−どっかで聞いたこと有るような気がしまんな
そうかなあ
−あーそうそう天聖界と天魔界、天使と悪魔とお守りでんなあ
なんやねんそれは
−あんた、しりまへんか。日本でいっちゃん有名なドラマのビックリマンゆうて
へえ、そんなもんあるのんか。話を元に戻すとやな、白い猿のハヌマーンが彼らに会うて、彼らの仲間になると申し出よんねやな
−ちょ、ちょっとまっとくなはれ。その名前もどっかで聞いたことある名前やねえ
ほお、またかいな。まあ、なんでも言うてみ
−ちっこい頃、なんかの映画で見たような・・・・あ、それゴジラにでてまへんか
出てたかもしれんな
−そうやな、出てよったかもしらんな。この話とゴジラとどっちが古うおますか
そんなこと考えんでもわかるやろ
−はあ、ゴジラでっか
そんな漫才のノリはせんでもええねやがな
26.
ほんで、ハヌマーンはスグリワを連れてきてラーマに会わせんねやな
−スグリーワて誰でしたかいなあ
猿の王さんの弟やがな。スグリワは追い出されてからちゅうもん兄貴バーリンと戦こうてたんやな。そのバーリンは「ラーマがヴィシュヌの生まれ変わりやねん」ちゅうことを解ってたんやな。バーリンはスグリワの嫁はんを横取りしてもたんで、「嫁はんを持たへんちゅう誓いを破ってもたんで、その罰が当たって死なないかんな」と思てたんやな
−なんや、そんなことぐらいで
えろお軽う思とるなあ、けどまあバーリンはやられんのやなあ
27.
ラーマはバーリンのなきがらを葬ったりはるねん。ラーマとラクシマナはそこで隠者らしゅうしてるのをやめはったんや。そんで神様が来て彼らに普通の着物(きもん)をあげてんな
−なにが普通のきもんで、なにが隠者のきもんか、ようわかりまへんな
28.
−ほれから、あとは宴会でっか
まあ、そんなもんやろ。けど、ラクシマナは「こらスグリワ、ラーマと一緒にシーダーを捜しに行ってくれへんのんかい」と、約束してたことを思い出させはったんやな。ハヌマーンは隣の猿の国の王さんのプラヤ・マハチョンプーをさろてきよったんや。そんでラーマに会わして、同んなじように仲間にならせたんや
29.
ラーマは、猿の将軍ハヌマーン・アンガタ・チョンプーパンの3人に「ほなら、シーダーを捜しにいとおくなはるか、ランカーへはどうやったらいけるか捜してきてくれるか」と頼みはったんや
30.
3人の猿の将軍とぎょうさんの軍勢はシーダーを捜すための旅に出かけたんや。ほんでインドラにほりだされた元々は天使やった悪魔に会うたんや
−ここらがややこしいとこでんなあ
ここでも悪魔を殺して天国に戻してやるねん
−ご都合主義の、人いや悪魔殺しだんなあ
31.
ハヌマーンはインドラにほりだされた天女やった悪魔も天国へ帰したるんや
−ありがたいこって
そんでハヌマーンは、自分が橋になって自分の手下らが道を進んで行けるようにしてんねん
32.
ハヌマーンはランカーの海を守ってよった人喰い鬼女を殺しよるのや
−かわいそうに
33.
ハヌマーンはランカーの空を守ってよった、ほかの怪物女も殺しよるねな
−乱暴ものやなあ
ほんでラーバナの宮殿の中をあちゃこちゃとシーダーを捜しよんねん
−見つかったんでっかいな
34.
ラーバナはシーダーをランカーの町のはずれにある庭に住まわしといたんで見つからんかったんや。けど、シーダーに言い寄るために出かけて行ったときハヌマーンに見られよってんな。ラーバナがあんまりうるさいんで、むかむかしてきたシーダーは首をくくって死んでまおとしはるんや。けど図の右のほうを見てみ、ハヌマーンは彼女を助けといてから、ラーマの指輪を見せよるねんな
−ほんで連れて帰りよったんか
35.
そこがなんでかよう分からんねけどな、ハヌマーンはラーバナの庭を壊してから、ラーバナの子供をようさん殺しよんのや
−そんなことしてんと、はよ帰りんかいな、この猿は
ほんで、とうとうラーバナがいっちゃん気に入っとおる息子インドラチットにつかまってしまいよるねん
−ほらみいアホが
36.
ハヌマーンは色んな方法で拷問されんよるねな
−けど、どうもおまへんのか
そんで最後に火でしか殺されへんねやとラーバナをだまして、しっぽに火をつけさせて飛んで逃げて、ランカーの町を燃やしてしまいよるのや
37.
ラーバナと一党は火の中から山の中へ逃げ込みよってな
38.
ラーバナは「新しい町を作る」ちゅうて神様を呼びよるねん